僕のレクイエム

しばらくは運動してダイエットに励みます。釣りは引退しました!
心霊大好き。

母からの電話

19歳で念願の霊を見て
その後は順風満帆な霊ライフを送れるかと
楽しみにしていたが
その後は十数年見る事はなかった


21歳の時
サークルでバーベキューに行く事になった
まだ携帯電話はSFの時代
出発する寸前に母からの電話が鳴った


「あんたこれから車で出かけるんでしょ、事故起こすから
車は止めて電車にしなさい」
と突拍子もない事を母が言いだした
「怪我したり、死んだりするの?」
聞き返した僕に
「たぶん大丈夫」と母


出発寸前であったし、今更車を出す者が電車で来ましたと言うわけにもいかず
車でそのまま出かけた
集合場所までは無事に到着した


母の電話を冗談とは受け止めていない
かならず事故は起こるはず
気を引き締めて運転した


食材を買い、車7台でバーベキュー場に向かった
残り500mでバーベキュー場に到着という時
前を走っていた後輩の車が左右に車をゆすって走り始めた
冗談でゆすっているらしい


危険なので車線を変えようと左ウィンカーを出しハンドルを切り
隣の車線に移った瞬間
後輩の車がスピンした
テールランプが光ったのが見えた
ブレーキを踏んだようだ


案の定後輩の車はバランスを崩し
走行していた車線の右側ガードレールにぶつかり
僕の走っていた隣の車線に頭から吹っ飛んできた


「やりやがった」
近づいてくる後輩の車
しかしここからはストップモーション現象が発生し
見える世界全てがコマ送りになった


1.後輩の車が突っ込んでくる
2.車線を変えて避けようとミラーを見たら別の後輩の車が近づいていた
3.大事故につながる恐れもあるので車線変更はしないで影響少なくぶつける判断
4.どうやら後輩の車の助手席と僕の車の左フロントがオフセット衝突、助手席が危ない
5.助手席の後輩に手を振り「うしろへ行けー」とどなる
6.僕の声は聞こえないだろうが手の動きで助手席の後輩は後部座席に移動
7.僕の車の助手席の友人に「シートベルトして踏ん張れー」と言い
8.僕の車の後部座席のにいる後輩2人に「ふたりで身体を支えあって踏ん張れ」と言い
「ドカーん」とぶつかった
この間計測はしていないが本当に一瞬
1から8はその間に考えた事と行動である


車が2台大破しただけで怪我人もなく
ストップモーション現象ってすごいなと感心


なにより事故を予見した母に感謝
事故を起こすと言われていたから、構えが違っていたはず
自宅に帰って母に電話したら「ほら見たことか!」と怒っていた


ついに

その日はついにやってきた
大学生となり大学生活をエンジョイしていた
もう心霊のこと等まったく忘れ
ただひたすらに女の尻をおっかけていた
 
12月23日
大学のクラスメイトである男4人で妙高高原へ向かう事になった
友人Hが車を持っていたので
Hの運転で東京を午後11時に出発した
 
今では妙高高原までは高速1本で行ける
その当時長野道も途中までしか完成しておらず
更科ICで高速を降りると
後はひたすら一般道で目的地妙高高原まで車を走らせた
 
ここから先の話は十数年前
まだまだインターネットが普及していない頃
某心霊掲示板へ投稿した事がある
少し記憶が薄れてきているので
その投稿と差異が生じるかもしれないがご容赦いただきたい
 
更科ICを降りたら猛吹雪であった
夜中にも関わらず連日の大雪で積もった雪で周囲は明るかった
 
猛吹雪の中車を走らせた
向かう方向の前後に車はなし
対向車はダンプが多くすれ違った
 
少し登りになり対向車線の右側が崖になっていた
かなり遠くの歩道(対向車線側)に人が歩いているのが見えた
猛吹雪なのに傘は差していない
通り過ぎるダンプが巻き込み巻き上げる雪で
その人の周りは一層猛吹雪になっていた
 
「あっ、女が歩いている」
かなり近づいてHが言った
かなりの雪で車の進みは遅かった
助手席に座る僕には数十秒前から女性が見えていた
「なんか変だな」
後部座席のMが乗り出して言った
僕はずっと変だと思っていたが「まさか、これが霊か!」
という感動で言葉を失っていた
 
「あの女の人、服が破れている」
「助けなきゃ!」
「どこかで襲われたのでは!」
とHとMが会話していた
 
その女性の恰好はビリビリに破かれたブラウス1枚で
この猛吹雪の中をゆっくりと歩道を下ってきていた
時折追い抜くダンプは女性が気にならないのか減速すらしない
 
対向車線を挟んで運転席のピラー越しに女性が見えた時
「助けなきゃ」とHが車を停めようとブレーキを踏んだ
 
その瞬間後部座席で黙っていたFが
「止めるなー、すぐ車を出せー」と大きな声を出して皆驚いた
 
Hは「でも助けなきゃ」と言いつつFの勢いに押されて車を進めた
そのまま後ろは見ることなく車は登っていった
 
少し走って車を停めて4人で確認をした
Fは寝ていたが ただならぬ気配を感じて目が覚めたと言う
Fは「実は霊感があって」と言いだす
HもMも僕も霊感はなかった
F曰く、今回のように一緒にいた人が霊を見た事があったという
Fの説明を聞いても信じられないHやMは車を停めなかった事を少し悔いていた
「おまえはどう思う」Mに振られ僕は
「Hが女性に気づく前に遠くの女性に気づいていた、でも何か違和感があって
 黙って観察していた」
「どんな違和感かと」Hが聞く
「歩いているのにスーと滑っているようだった」
「それだけか?」Hが聞いた
「あの人、あれだけの吹雪の中髪も服も濡れていなかったし
風ではためいていた。それにブラウスしか着ていないのに
ブラウスが濡れて透けてなかったよ」
「それは俺も感じた」HとMが口を揃えて言う
「窮め付けは、車を停めようとした時、あの人の体少し透けていた」
僕の発言で皆が頷いた
みんな透けていたの見ていたんだ
 
Fの力のおかげであるが人生初の霊を見た
その霊になった人がどこでどうなって霊になったかを考えると心苦しいが
ついに霊を見た
それは20歳になる日の朝飯まで300日程残した日の事であった

H君

心霊とはほぼ無縁の高校時代であったが

高校1年で同じクラスになったH君

勉強も出来、クラスの人気者、スポーツも万能、女子からも人気があり

まるで出来杉君のような存在だった


そのH君、実は実家が幽霊屋敷だと言う

詳しく聞くと

・物心ついた時から霊がいた

・自宅のどこにいても霊の気配がする

・家が古く霊が動くと軋む音がする

・階段ですれ違う時は圧迫感がある

・恐怖はなく家族のよう

・オナニーには気を使う

という


遊びにおいでよと言ってくれたが

一度も行けなかった

残念